来世は・・・!
『世界のマイスターをめざして』
生涯に一度しか受験出来ない、オーストリア国家料理マイスター試験に
日本人として始めて合格された神田氏の、料理人として漕ぎ出した航海
日誌とも言うべき本。料理の道に進みたい、初志貫徹したその姿は
清々しく、その料理は繊細で美しい。そして読み手に、夢や目標を
持ち、ひたすら情熱を傾け努力することで道は開けてゆくものだと
鼓舞してくれ、信念と志を高く持ち一意専心すれば、出会いが
出会いを呼び、豊かな道が広がってゆくことを教えてくれる一冊。
私は、神田氏が小さい頃より剣道で心身を鍛えられていたことも
料理人としての支えとなっていることを感じずにはいられない。
そしてその原点は、やはり、両親であり家族と言えるのだろう。
オーストリアへと旅立つ息子に父親がかけた言葉が印象的。
「おまえが休むことのできる小枝はちゃんと用意しておく。
いつだってその小枝に止まれるということを、けっして
忘れるんじゃないぞ。」さり気なくも深く、愛を感じる言葉。
小枝を張った大木があるからこそ空高く飛び立てるのだろう。
2012年4月、銀座にハプスブルク・ファイルヒェンを開店された
とのこと、是非、訪れて、その味を堪能したいと思いました。
一流の道を歩んでいる方の実体験を知るのは、とてもワクワクします。
また自分が料理に目覚めてきたこともあるため、尚更楽しく感じます。
「来世は、料理人になりたい!なろう!」そう思った秋の夜長でした。
そして今世は家族だけの専属料理人を目指し頑張りたいと思いました。