花いけバトル
花いけバトル「王者決定戦シリーズ」第二戦の観戦へ。
会場は表参道の「CAY」。開始時刻は19時からで
会場内での食事も可能であったが、真剣なバトルを前に
観る側としても同じ様な緊張感を持って臨みたいと思い
軽く食事を頂いてから会場へと向かった。
ステージ上には、色とりどりの季節の花々と
大小様々な器6点が今か今かと出番を待っていた。
5分間で花をいける勝負に意味があるのだろうか、
正直そう思ってもいたが、時間が沢山与えられれば
それで良い作品が作れるのかと問われれば否である。
ステージを前にすると、会場の熱気もあって、妙な
高揚感が広がっていくのを感じた。まるで自分が
いけ手であるかのようにワクワクする時間が過ぎ行く。
実際に始まってみると、1秒の時の重みを感じた。
最後の1秒までもフルに使い切る5分間は、長年の
時の中で積み重ねられた技と思考があってこそ光る。
日々の密度の高さが、この5分間の完成度の高さに
正比例しているように感じられた。同時に
プロの仕事を見せつけられたという感じもした。
まさに、心血を注いできた者がいける花
そんな感銘と刺激を受けた5分間の積み重ねだった。
観戦後は自然と、花と向き合いたい気持ちが強くなった。
この一本、この色彩、この角度、この花、この器、
全てが揃って、たったひとつの「私の花」となる。
ステージ上で、5分間の後のほんの僅かな時間のみ
笑う花。その微笑みは心を熱くするのに十分だった。