まぁるい気持ちで
明日は満月で、丁度、中秋の名月となります。
初めて一人旅をした20歳の時も丁度美しい満月の頃でした。
一人、滞在先のホテルで日記帳と絵葉書にペンを走らせながら観た月は
どこまでも清廉な輝きを放ちながら、こちらを見下ろし、微笑みかけて
いるかのようでした。
「この月を、父と母も眺めているだろうか。」
ふと、両親が肩を並べて月をみやっている様を思い浮かべながら
その月の光に見入り、旅に出てみて初めて、帰る家があることの有り難さや
帰りを待っていてくれる家族がいるからこそ、こうして安心して旅をする
ことが出来る意義を感慨深く思った月夜でもありました。そしてまた
帰宅後に、私が思い見つめていた月を同時刻に同じように両親も私のことを
思いながら二人で見つめてくれていたことを知り、月の光が届くように
遠く離れても大切な人との絆や想いは必ず繋がっているのだということを
教えられ、改めて家族に感謝した月夜でもありました。
愛する家族が満月のように
まぁるく、あたたかく、穏やかに、明るく
満ち足りた微笑みの中で過ごせますように。
そして自分も満月のような清らかな輝きで
愛する人を包みこむことが出来ますように。
いつか、私そのままの、優しさと温もりで。