あずき君の新たな日に
保護した3匹のうち唯一男の子だった、あずき色の肉球を持つ猫
あずき君は、新たなご家族の元へと昨日、引っ越していきました。
懸念されていた台風の影響もなく、梅雨の晴れ間が広がる
気持ちの良い朝を迎えて、あずき君の新たな一歩とこれからの
日々が幸せ色に包まれることを確信し、ホッと胸を撫で下ろし
ながらも、ほんの数週間とはいえ、目紛るしく変わる表情や
日々の成長していく愛らしい姿を、次々と変わる車窓の眺めの
ように思い起こしながら、届けた後の帰路はやはり、ホロリと
胸に込み上げてくるものを感じずにはいられませんでした。
そんな私の思いを空が代弁するかのように
ひとしきりの雨が道を濡らした午後でした。
いとしい、あずき君へ。
いつの間にか母の足元へと寄ってきて、「ニャー」と声を
かけた君は、仔猫ながらよく出来た判断だったと思います。
逃げずに、母をその円な瞳で真っすぐに見上げたあの時に
君の人生は、幸せへと一直線に結ばれました。おめでとう!
やんちゃが過ぎて母を困らせ注意されたこともありました。
叱られても反抗することなく、じっとこちらの顔を見つめて
その後大人しくしていた君は、とても利口な子だと思います。
私が帰ると寝ていても起き上がってきて、直ぐに肩の上へと
よじ上ってきてくれましたね。肩乗り猫は君が初めてでした。
「あず〜♪、あずき〜♪」と呼ぶと、肩の上で得意気に尻尾を
振っていた君のぬくもりとその可愛い顔をずっと忘れません。
これからは、新しい家族の元で、あずき色に輝いて下さい。
どこまでも、君を一番かわいがり愛してくれるその家族を
君も、心から信頼し真っすぐに元気に歩んでいって下さい。
次第に凛々しくなってきてどこまでも愛しい、あずき君へ。
元飼い主である風鈴花より