梅一輪の日
10日の夕暮れ時に、梅の花が一輪咲いているのを目にした。
その清らかな白色に、思わず見とれる。まるで、この地球には
届かない、新月の月明かりの代わりをするかのような淡さに。
ほんのかすかに漂い始めた梅の香は、まばゆい月明かりを誘い
そしてまた馥郁たる香により大地の春を目覚めさせてゆくのだ。
むめ一輪いちりんほどのあたたかさ 嵐雪
立春が過ぎ暦の上では春を迎えたとはいえ、余寒厳しき折柄。
花が花びらを開く度に春のあたたかさを思い出すこの時期は
余寒と予感が響き合いながら空が霞む毎に寒さも緩んでゆく。
一輪のありがたさと、一輪のあたたかさを思い起こすために
泡雪のような清らかな月光の如くに白き梅の花は咲いていた。
☆本日の一言☆ 時めく心 早春にあり