花鳥風月

〜日々を彩る風鈴花の365日〜

夢を介す

上田城の話題により、「風鈴花ちゃんって、見える人だったの?」

と知人から尋ねられました。この手の質問には答えにくいのですが

「見える」と断言するよりは、「気配などを感じ取ることが出来る」

と表現した方が、より近いように思います。万能ではありませんし

一言で言い表せる類のものではありません。近年のスピリチュアル

ブームにより「見える」という言葉が独り歩きしているような趣を

感じるのですが、自分のことに限って言えば、その場でダイレクトに

形として見える時もありますが、意識していない時に映像として

自然に浮かび上がってくる場合や、時間差で夢の中で見せられる

場合の方が多いと言えます。どういうことかを説明するために

数多ある中から一つの体験談を記したいと思います。

 

ある日、知人から、「引っ越したい場所があるの。近くに行く時には

その物件をちょっと見ておいてもらえない?」という申し出がありました。

歩く事が大好きで、学生時代は散歩の途中で目にした現地販売会や

見学会に、ふらりと立ち寄ってみたりしながら自分なりの感覚を養って

きた経緯上、知識というより感覚的に善し悪しが判断出来てしまうため

私のそういった面を知人は頼りにしてきたのでした。

 

実際に近くに行く機会があり、軽い気持ちでその物件周辺を一周し、

その日は帰ったのでした。物件は中古のマンションでしたが、見た目も

それほど古びていなく綺麗で、全体的に日当りも良く、郵便局や

スーパーといった生活に欠かせない店舗も至近距離にあり、バス停も

目の前という好立地で値段に見合ったものでした。ただ一つだけ

何かが引っかかり実際に玄関内に足を踏み入れないと分からないかなと

判断を保留にしていたのですが、その日の夜に答えは出ました。

その日に見た夢は、若い女性がその物件から飛び降りて、その後

白骨化した死体が笑っている、というものでした。あまりにリアルな

映像として見せられたため、かなり気分の悪い目覚めとなりました。

それまでに、そのような場面に遭遇したこともなければ、映像として

目に焼き付けたことも一切無いため、過去に目にした映像が単に夢に

現れただけ、とは決して言えません。知人には素直に、こういう夢を

見たから自分としてはお勧め出来ないと伝えました。すると、意外な

答えが返ってきました。

「あ〜、やっぱりね。そうでしょう。実はね、その物件、自殺者がいるの。

4、5年前みたいよ。それも10代の若い女性がね、飛び降りたんだって!」

その言葉を聞いた途端、ゾッとしました。夢と一致していたからです。

 

夢で見る映像は、過去の出来事だけでなく、未来に起こりうる映像も

含まれています。日付などの詳細までは分からないのですが、経験上

1年以上先の事柄が多いようです。プロも顔負けの、嘘やトリックのない

情報を映像として見せられる、何とも不思議な世界なのでした。

 

「見る夢は、白黒ですか?」とよく聞かれますが、現実世界と

何ら変わらないフルカラーで、色も香りも音も感触もあります。