花鳥風月

〜日々を彩る風鈴花の365日〜

笑う光と風と

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 まるで、光も花となり、ともに笑っていた。

風は傍らで、力強さを増してきた陽射しに

負けない程の勢いで春の調べを奏でていた。

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 小さな花も精一杯顔を出して、笑いあっていた。

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 枯れ草の中から顔を出していたタンポポは、やはり

特別な存在感で見つめてきた。同じ目線で空を眺めた。

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 青い空。その大海原に、幾重もの花びらを踊らせて

いるように見えた。まるでイソギンチャクだと思う。

そして帰り際にはやはりまた四葉が手を振っていた。

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 そういえば不思議な夢を見た。遠く空を眺めている私に

見知らぬ男性が横で呟いた。「富士山は、いつだって

どこでも見えるんだよ。ほらね、そこに見えるだろう?」

私は、「えっ?霞んでいて見えない・・・あ、見えた!」

春霞の中で霞んでいた雄大な美しい輪郭は、しっかりと

威厳を持って目の前に現れていた。いつでもそこにある。

四葉のクローバーが、「見えていなくても幸せはいつも

そこにあるよ。自分自身の目の前に」と笑いかけていた。