花鳥風月

〜日々を彩る風鈴花の365日〜

ピノ一番星

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アイス好きな友人がいる。その友人と会うと、必ずと言っていいほど、アイスを買うことになる。

私は、レモンが入った氷タイプのアイスをたまに買うことはあるが、自宅の冷凍庫に常備するということは、10代を卒業してからは、ない。甘い物は大好きだけれど、アイスクリームは、久々に味わうデザート感覚が丁度いいのだ。

その友人と待ち合わせをして花火を見ることになった夏のある夕暮れ。これは、アイスの流れだなと思っていたら、帰り道、コンビニの前に来た途端に「ねー、アイス買って行かない?」「あーいっすよー」と私からの気の利いた返事を聞かずに友人は既に目を輝かせて店内にいた。こういう時、私のチョイスは、pino一択である。外に出るや否や、アイスにかぶりついている友人の横で、私は動作が止まっていた。「ん?変な形がある。これは、まさか星型?」初めて、ピノの星型に出会った瞬間だった。食べるよりも先に、ピノ、星型、で調べてみると、なんと確率は4.8%とある。こういうちょっとした当たりが好きな単純な私は、これだけでテンションが爆上がりしていた。早速、友人に自慢しようとピノの箱を目の前に差し出すと、友人は一個くれると思ったらしく「ありがとう。一つもらうね。」と、何の躊躇いもなく星型をさらっていった。「ちょっと、今の見た?星型!星型だったの!」「へぇー、そんなのあるんだ、珍しいね。」記念撮影もしないまま、初めてのピノ一番星は、あっけなく、スタコラさっさと目の前から消えてしまった。「食べ物の恨みは、昔から怖いのよ!」と友人に言うと、「それは、ほしくないわね。」と返された。

ダジャレまで持って行かれた帰り道だった。