花鳥風月

〜日々を彩る風鈴花の365日〜

海と月と花火と

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5年ぶりに開催の鎌倉花火大会へ。

江ノ電に6時過ぎに何とか乗車する。

短くコンパクトな車内へと雪崩れ込む

人、人、人。満員の通勤電車のような

殺人的な混雑に車内へ踏み込む一歩を

躊躇していると、老婦人が「早く」と

私の腕を掴み、遠慮なく車内へと

押し込んでくれた。扉が閉まりそうで

閉まらない。その間も、乗り込もうと

する人でホームは殺気すら漂っていた。

駅に停車する度に、悲鳴が響く。

無理だと思いながらも、僅かな隙間を

目掛け殺到してくる人の嵐は、最早

限られた空間という名の恐怖でしかない。

このまま押しつぶされるのでは、という

久々の恐怖と痛みと、冷房が効かない程の

人の熱風による暑さで、疲労感、悲壮感は

ピークに達しようとしていた。渋滞、混雑は

都会に住む者なら当然のつきものである

としても決して慣れることはない。

目的地への到着に救われた気持ちになりながら

海岸沿いへと足を運んだ。すでに、花火を

待ちわびる人で砂浜は埋め尽くされていた。

打ち寄せる波に、そのうち、さらわれるのでは

と思われる程のギリギリの距離に場所を取り、

黄昏時の海辺を暫しの間、無心で楽しんだ。

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海辺の花火は波の音をBGMに出来、

水面に映る色合いとともに、視覚、聴覚、

両方を存分に楽しめていい。特に今回は

月が出ていたため、海と月と花火との

三拍子で楽しめることが出来て最高であった。

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花火が終わった途端に、現実に引き戻される。

帰りは、どうしよう。

再び、行きのような殺人的な車内へ乗り込む

気持ちにはなれず片瀬江ノ島駅まで歩くことに。

一時期、登山で鍛えていたこともあり

歩くのは何時間でも苦にはならない。

漆黒の海に月明かりの煌めきが拡がるのを

見ながら、花火を見た高揚感のまま

ひたすら歩き続けた。

 

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夜間、ライトアップされた片瀬江ノ島駅

竜宮城感がアップして綺麗だ。

時刻は既に9時半を回っていた。

花火大会が平日であったので翌日は仕事。

竜宮城をくぐり電車に乗れば暫し夢の中。

目覚めた時に自宅が目前であってほしい。

おやすみなさい。